プロフィール

 

 

針畑生活資料研究会

 

1974年から京都精華大学美術学部(現芸術学部)丸谷研究室を中心に、
滋賀県高島郡朽木村(現滋賀県高島市朽木)の暮らしと生活文化の調査をすすめてきた。
村は県の北西部にあり、福井県、京都府との県境にある人口2600人の静かな山村である。
安曇川とその支流、針畑川、北川、麻生川の谷間に集落が点在する。
 一つの村にとって、またそこに暮らす家族やひとりひとりにとって、
敗戦後の高度経済成長により、何百年をかけて蓄積されてきた地域文化が途絶え、
それにかわって何を得たのか。
研究会の活動は、記録映画や出版によって、
かつての山村での暮らしから現代を照射しようとの動機からの試みであった。
永く山村で使われてきた生活用具に焦点をあてることによって、
暮らしの知恵を再評価することであった。
 1軒の納屋に残されているさまざまな生活の用具。農作業や山林での道具、
ワラや蔓など身近かな自然素材で作られた手工品、麻の栽培から織りにいたる道具、
その他、食品加工から共同体としての講や信仰など、家族の生活の蓄積が、
朽木村針畑川流域の各集落で続いた証である。
自然環境から生まれた「知恵」のかたまりであるこれらの道具を通して、
村の人びとの声に耳を傾け、生活史の聞き取りとしてすすめてきた。
朽木針畑の集落